建設産業専門団体連合会(建専連、才賀清二郎会長)と近畿地方整備局との第7回目の意見交換会が平成18年7月4日、大阪・KKRホテル大阪で開かれました。

 まず建専連の高宮春夫副会長は「建設産業は7百万人からの従業員がいる基幹産業だが、最近、ダンピングの問題が下請けにも影響を及ぼしはじめ、産業の根底を揺るがせている」と述べ、最近のダンピング受注がもたらす弊害を強調。

 北浦年一近畿建専連会長は「ダンピングを行う不良業者は、たとえそれが大手企業であっても、排除していかなければならない。しかし、これは個々の企業では対応できない問題である。今までは、まず対策を提示してから、行動するかどうかを考えてきたが、これからは行動を前提に置いた対策を考える動きに変わってきている。自分の職業を自分で守るために、本音で話し合っていきたい」と述べ、ダンピング問題への効果的な対策を求めました。

 これに対し、藤本貴也近畿地方整備局長は「近年、建設業界内では様々な事件が起こり、国の信頼が低くなっている。行政でも建設関連の予算がどんどん削られている状況だ。いい仕事をするためには、直接業務に携わる下請けを守らなくてはならない。低入札は下請けを苦しめ、品質の低下を促す一因である。建設業の信頼回復のためにも、これから先具体的にどう動けばいいのか、それを話し合って行きたい」と述べました。

 続いて整備局から各種調査資料などを説明、建専連は06年度事業活動方針を報告しました。

 このあと意見交換に移り、建専連側から「低入札価格調査制度の厳格な運用」「建設業行政部局等による立入検査の強化」(北浦年一会長)、「適正な施工体制の確保」(阿食更一郎大阪府建団連副会長)、「1・2級塗装技能士の処遇措置改善」「基幹技能者の今後の位置付け及び活用」(米増豊大阪府塗装工業協同組合理事)、「石綿除去レベル及び数量の明確化と注文金における産業廃棄処理費の分割化(手間工事費と産業廃棄処理費)」(中野岳之近畿建設躯体工業協同組合専務理事)について要望しました。

 このうち、低入札対策に関しては▽重点調査の実施に当たっては、下請業者から見積書等を提出させてヒアリングを実施してほしい。その際、施工体制事前提出方式(オープンブック方式)を導入し、落札後に確認調査を実施してほしい▽4月の緊急ダンピング対策に基づく立入調査の強化や発注行政部局との連携などを通じて建設業法19条の3(不当に低い請負代金の禁止)に違反していないか積極的に判断し、違反していると認めた場合は公取委への措置請求を行ってほしい―と求めました。

 これに対し、整備局側では、「立入検査は今後も強力に進めるが、オープンブック方式は検討していない」との考えを示しました。  


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